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まるで観葉植物店!?光と緑あふれる土間空間がある住まい

2023.06.23
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※本記事は住宅情報WEBマガジンDaily Lives Niigataによる取材記事です。

 

グレージュの塗り壁が目を引くシンプルな佇まい

新潟市江南区亀田エリアに新築をしたNさん夫婦。

44坪の土地は間口が狭く奥へと長い長方形で、その敷地形状に合わせた長方形の平面を持つ建物が立っている。

建物の間口は3間(約5.4m)。グレージュのジョリパッド(塗り壁)で仕上げられた外壁に2階から突き出した出窓。シンプルでありながらも個性的な外観だ。

玄関へと続くアプローチは直線ではなく、あえて中央に植えられたジューンベリーの木をよけるようにコンクリート平板が組まれている。浮遊感のある仕上げは、湿原に組まれた木道のようだ。

ポーチまでのわずかな距離が実際よりも長く感じられるし、このコンクリート平板の道から落ちないように歩くことが楽しい。

建物の左側には石を敷き詰めた小道があり、こちらもジューンベリーが道をふさぐように配されている。行き来するには、いくつものジューンベリーの木を右に左にかわしながら歩く必要がある。

それが建物脇のちょっとしたスペースに広がり感や奥行感を生み出しているようだ。

ジューンベリーの木々は、外壁や窓を隠す役割も担っており、同時に鮮やかな緑はグレージュの塗り壁によって引き立てられている。

「以前は賃貸で暮らしていましたが、子どもたちが成長するに連れて手狭に感じるようになり、家を建てようと考え始めました。それから、植物が好きで、賃貸でも植物を育てていましたが、もっと広い空間で植物に囲まれた暮らしがしたいと思っていました。住宅雑誌に載っていた素敵な植栽のお宅が目に留まり、それを手掛けているのが風間さんだと知ってお話を聞きに行くことにしたんです」と奥様は家づくりを始めた当初のことを話す。

「私は家を建てるなら外観にこだわりたいと思っていました。風間さんの他にもいくつかの住宅会社さんに相談をしていましたが、風間さんだけが塗り壁を提案してくださいました。外観以外の部分でも、最も私たちのイメージをくみ取って提案をしてくださったのが風間さんだったんです」とご主人。

 

生活感を取り去り、お店のような玄関に

一見するとシンプルな箱のように見えるN邸だが、中に入ると実にメリハリの利いた空間が広がっていた。

まず最初に現れるポーチ。2階の天井まで吹き抜けになった半ソト空間は、一般的な住宅のスケールではあまり感じることのない鉛直方向に長い空間だ。

折れ曲がったアプローチに、不思議な空間体験ができるポーチ。この変化に富んだ道を歩いているうちに、とても広い敷地に立つ家なのではないかと錯覚しそうになる。

そして、玄関ドアを開けると、ここでもまた一般的な住宅のスケールではない玄関が現れた。

600mm×1,200mmの大判タイルの土間に、2階の天井まで吹き抜けになった開放的な空間。少し高い位置にある大きな窓からたっぷりと光が注いでいる。

「観葉植物を置くための土間は、妻が最も強く要望していた場所です。植物は少しずつ増えていっていますね。私は照明が好きで、天井から吊り下がっているペンダントライトは私が選びました。APROZ.(アプロス)のPEARLという照明で、コードの色は2種類を混ぜて使っています」(ご主人)。

「賃貸の時は窓が小さく数も少なかったので昼間も照明をつけて過ごしていましたが、今はこの大きな窓のおかげで、とても明るく暮らせています」(奥様)。

光あふれる土間空間にさまざまな観葉植物が並ぶ様子は、観葉植物店を彷彿させる。

下足入れやシューズクロークがないことも、お店のように見える要因かもしれない。

実は玄関の正面にある白い扉の中が下足入れ。そして、その上のFIX窓越しには外の坪庭に植えられた庭木がちらりと見える。

開放的な吹き抜けの空間を活用し、Nさん夫婦が希望した鉄骨階段も取り付けられた。

「階段のスチールはスリムに見えるように6mm厚のフラットバーを使い、踏板にはホワイトアッシュの幅はぎ材を使ってきれいに仕上げました。買い物帰りに玄関からキッチンにすぐ入れるように、階段下にも動線を設けています。玄関とLDKの間はガラスの間仕切りにしているので、レースのカーテンでプライバシーを保てるようにしています」と風間建築事務所の代表・風間広大さんは玄関まわりの設計意図を説明する。

 

リビングからフラットに繋がるウッドデッキ

玄関ホールとLDKの間にドアはなく、流れるような所作で行き来ができる。

LDKからはガラス越しに玄関の様子がよく見えるが、そこは玄関というよりも、植物のために設けられたアトリウムといった方がしっくりくる。

土間には観葉植物の緑。窓の外にはジューンベリーの木。そしてその向こうには背の高い街路樹。

近景から遠景まで、さまざまな距離感の緑が目を楽しませてくれる。

LDKに入ってすぐ左手がリビングで、以前から使ってきたというフランネルソファのSIESTA(シエスタ)とウォールナット材のローテーブル、TVボードが配されている。

その隣の掃き出し窓を開ければ、リビングの床と同じ高さのウッドデッキに空間が連続する。

このデッキは風間さんからの提案でつくられたスペースで、雨や日差しなどの影響を受けにくいように建物を掘り込んだつくりにしている。

「デッキは子どもたちの遊び場にもなっていて、捕まえてきた虫をここで眺めたりしていますね。それから、妻が観葉植物の土の入れ替えをする場所にも使っています。雨が降っていても掃き出し窓を開けておけますし、多少暑い日でも通風だけで涼しく過ごせます」とご主人。

「隣が駐車場なので、プライバシーを守れるように杉のルーバーで目隠しし、さらに植栽を施しています。ここの植栽も含めて外構はSCAPEさんにお願いしました。デッキの横には1畳分の外部収納を配置していますが、これは構造的な役割も果たしています。雨に濡れずに荷物を出し入れできますし、外部収納と玄関ホールの間のちょっとした空間にも小さな庭を作って頂きました」(風間さん)。

外部と内部を断絶するのではなく、外部と内部を滑らかにつないだ上で、外部空間に室内のような居心地をつくり出すのが風間さんの設計の特徴。

そんな持ち味は、広い庭を確保するのが難しいN邸でも存分に発揮されている。

 

質感豊かな建材や照明が随所に

ウッドデッキから室内を見ると、リビング、ダイニング。キッチンが建物の奥行方向に並んでいるのが見える。

床はオークの挽き板のラスティックグレード。程よく節が入ったオーク材は家具との相性もいい。

観葉植物は土間に留まらず、ユニットシェルフやキッチンの上にも並んでおり、室内に瑞々しい雰囲気をつくり出している。

ダイニングの上に吊るされた黒いペンダントライトは、鋳物の町として知られる富山県高岡市の鋳物メーカー二上の『明星』黒ムラ。

真鍮の伝統的着色技法である黒ムラが使われた味わいのある照明は、N家の照明担当であるご主人がセレクトしたもの。

鈍い光を放つ黒ムラのランプシェードは点灯しない状態も美しい。

ダイニング奥のキッチンはステンレストップが特徴的なLIXILのリシェルSI。空間の納まりと作業性の両方の観点から理に適ったL字型が採用された。

床は水に強く質感のいいタイル仕上げ。

冷蔵庫は目立ちにくい奥に配置し、その手前にはラワン合板と白いメラミン樹脂を組み合わせた収納が造作されている。ラワン合板のミルフィーユ状の断面をデザインとして見せるのが風間さん流。

食品ストックなどを隠すことを主な目的としながらも、トレイやブレッドケースなどのよく使うものが手に取りやすいように、ちょうどいい高さにオープンな棚も設けられている。

少し奥まった場所にあるキッチンは、料理に集中しやすい半個室風。

しかし、シンクの前に立てばダイニング、リビング、デッキの外の植栽へとまっすぐ視線が抜ける。そんな開放感を味わえるキッチンでもある。

 

デザインと機能の両方を重視した水回り

キッチンの横を通り奥へ進むと、そこはトイレ、洗面スペース、脱衣室、浴室が固められた水回りゾーン。

小さなトイレにも、絵を飾れる間接照明付きのニッチや、便器後ろの壁の死角を活用した収納棚などが造り込まれており、意匠と機能の両方が細部まで考えられていることがうかがえる。

その奥には実験用シンクとメラミン樹脂のカウンターを組み合わせた造作洗面台。「深さのある実験用シンクは、汚れた衣類のつけおき洗いをするのにも重宝しています」(ご主人)。

さらに奥の脱衣室は、洗濯・乾燥・物干し・収納が完結できる空間。ガス衣類乾燥機の乾太くんも家事の時短に貢献している。

 

普段使いも考えられた、遊び心あるゲストルーム

次に一度玄関ホールに戻り、個室が集中する2階へと上がった。

中央に設けられた大きな吹き抜けが上下階をつないでいるため、N邸の2階は1階との距離がとても近くに感じられる。

吹き抜けに面して建物の長手方向に伸びる廊下があり、その横にはアーチ型の垂れ壁がかわいらしい小上がりが設けられている。

「2階にゲストルームを設けたいというご要望がありました。ただ、そこを個室にしたら日常的には使わない場所になってしまいます。そこで、普段は廊下と一体にして使える空間にしました。ゲストが泊まる時にはカーテンを閉めて個室のように使うことができます」(風間さん)。

アルコーブのような籠もり感が楽しく、普段は子どもたちが友達と遊ぶ場所として使っているのだそう。

2階の南側には4.5畳の子ども部屋が2室左右対称に配されている。

一方、子ども部屋と逆サイドの北側は出窓のある主寝室。

出窓の窓台の高さは400mmで、ちょっと腰を掛けるのにちょうどいい。また、廊下から見た時に奥行を感じさせる窓でもある。

枕もとの壁にはメガネやスマホを置ける奥行150mmのライニングがあるため、サイドテーブルなどを置かずシンプルに空間を使うことができる。

 

明るい光と緑に癒やされる暮らし

N邸の象徴的なデザインでもある東側の大窓。ここから入る光は玄関だけでなくLDKや2階へも行き渡り、明るい気持ちにさせてくれる。

「この窓に朝日が差し込むと、バーチカルブラインドにジューンベリーの木が影絵のように映し出されてとてもきれいなんですよ」と奥様。

ご主人は「夕方薄暗くなった頃、デッキの植栽がライトアップされる様子もいいですね」と話す。

自然に包まれる暮らしは、郊外の広い土地でなければ難しいのではないか?

そう思ってしまいがちだが、N邸が立っているのは商業施設と住宅が混じり合う街なかの44坪の土地だ。

自然に親しみ、心地よい光と風を感じられる空間を、どんな場所にでもつくり出そうとする風間さん。N邸にはその想いがぎゅっと詰まっている。

 

N邸
新潟市江南区
延床面積 113.14㎡(34.22坪)、1階 53.82㎡(16.28坪)、2階 59.32㎡(17.94坪)
設計・施工 株式会社 風間建築事務所

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平

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